日経平均株価が暴落した。下落幅は1987年10月の「ブラックマンデー」を超え、下落率でもそれに次ぐ2番目だ。年初から続いた株高の流れを吹き飛ばしたのは、米国経済に対する強い懸念、そして円の急騰だ。歯止めはかかるのか。
- 東証終値4451円安の3万1458円 下げ幅ブラックマンデー超え
5日午前、東京都内のSMBC日興証券のトレーディングルームは、緊迫感が広がっていた。取引開始直後から大口の売り注文が殺到。日経平均の下げ幅は、すぐに2千円を超えた。午後には更に大きく下げ、取引終了前に下げ幅は4753円58銭まで膨らんだ。
「ここまで下がったのは初めてで驚いた。リスクを避ける動きが続き、まさに『売りが売りを呼ぶ』展開だった」。同社のエグゼキューション・サービス共同部長の玉井大介氏はこう話した。
2023年初めに2万円台半ばだった日経平均は、約1年半にわたって上昇を続けてきた。東京証券取引所が、株主への還元といった「株価を意識した経営」を上場企業へ求めたこともあり、この年の5月には3万円台を回復。今年2月には1989年12月のバブル期の最高値(3万8915円)を抜き、34年間にわたって塗り替えられなかった史上最高値を更新した。翌月に4万円を突破、先月11日には4万2千円台の史上最高値をつけていた。そこから1カ月足らずで1万円以上も値を下げ、年初からの上げ幅をすべて失った。
急落の要因は何か。松井証券…